反オバマ 草の根運動「ティーパーティー」

米国で反オバマ大統領の草の根保守運動「ティーパーティー」が注目を集めている。しかし、同運動の名称が米国独立革命の契機の一つとなった1773年の「ボストン茶会事件(テイーパーテイー)」に起源を持つことにみられるように、オバマ大統領の政策に反対して自然発生的に生じた新しい運動ではなく、米国政治の伝統に根差す非常に古い政治的潮流が新しい装いの下に現れたものだ。ティーパーティー運動は、11月の米議会中間選挙に大きな影響を及ぼす可能性がある。

≪分析≫

 ティーパーティー運動が最初にメディアの注意を引いたのは、オバマ大統領が就任した直後の2009年2月、経済刺激策として7870億ドル(約70兆2700億円)を投じる「米国再生・再投資法(ARRA)」に対して地方で散発的に起きた抗議運動だった。同運動がより大きな関心を集めたのは、同年9月、首都ワシントンで行われた数万人規模の「納税者の行進」だった。

 ◆核心は反税運動

 ティーパーティー運動の支持者は互いに相いれない見解を持つこともあるが、その最大公約数は、連邦支出増大の帰結としての増税を拒否する点にある。運動の核心は、財政保守主義に基づく反税運動だ。ボストン茶会事件も、米国がインドから輸入する紅茶に英国議会が課税したことに対する抗議運動だった。オバマ政権は、景気刺激策の一環として減税も行っているが、ティーパーティー運動の支持者は、医療保険改革やエネルギー改革が最終的に増税につながると信じている。

 同運動の第2の特徴は、大手金融機関や米連邦準備制度理事会(FRB)に対抗する反エリート主義だ。同運動の熱烈な支持者は、金融制度を安定させるために、ブッシュ前大統領が導入し、オバマ大統領が引き継いだ「問題資産購入計画(TARP)」に反対している。

 第3の特徴は、反連邦主義だ。同運動の支持者は、連邦政府の権力に懐疑的であり、共和党主流派と分権主義への志向を共有する。

 第4の特徴は、移民排斥主義だ。大半の支持者は反少数民族の見方を否認するが、不法移民に対する敵意を表明する者もいる。米ニュース専門局CNNが最近行った世論調査によると、同運動の支持者の圧倒的多数は米国生まれの白人だった。

 ◆3つのシナリオ

 ティーパーティー運動の将来について3つのシナリオが考えられる。いずれにしても、同運動が長期にわたって独立した勢力を保つ見込みは小さい。

 第1は、非主流派への分解。反ウォール街、反FRB、移民排斥主義など、主流派に受け入れがたい主張が運動の中心を占めるようになれば、米国の景気が回復した後、衰えるだろう。

 第2は、主流派への吸収。ティーパーティー運動は、草の根の反エリート主義に起源を持つことから、同運動の支持者は伝統的な政党に批判的だ。しかし、共和党か民主党の指導者が、高齢者や低所得者向けの公的保険に代表される政府の給付金を削減し、信頼できる財政再建策を講じるなら、同運動は主流派と合流するだろう。

 第3は、第3勢力となる可能性。1992年の大統領選で旋風を起こしたテキサスの実業家ロス・ペロー氏のような、資金豊富な指導者が運動の旗振り役になれば、2012年の大統領選で重要な役割を果たすかもしれない。

 ≪結論≫

 オバマ大統領の就任直後に現れたことから、ティーパーティー運動は新しい政治勢力ではなく、米国の非常に古い保守主義の最新形態とみることができる。同運動の反税、反移民、反連邦主義の主張は、ごく少数派の政治的立場を代表しているに過ぎない。しかし、同運動の非常に活発な右派有権者が、民主、共和両党の財政保守主義者と力を合わせれば、11月の中間選挙で民主党を大敗北に導く可能性がある。(オックスフォード・アナリティカ)

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