ダルフール反政府組織と和平暫定合意 スーダン大統領 選挙戦略着々

スーダン西部ダルフール地方の主要反政府組織「正義と平等運動(JEM)」とスーダン政府は23日、仲介国カタールの首都ドーハで、和平に向けた暫定的な枠組み合意に調印した。双方は3月15日までに最終的な合意を目指して交渉を続ける。

JEMはいまもダルフール地方で活動する、最大の反政府組織。最終和平合意では、JEMの合法政党化や政権参加を目指しているが、両者の立場にはなお隔たりがあると伝えられ、最終合意に達するかは不透明だ。

 スーダン政府とJEMは2009年2月、「ダルフール問題解決に向けた善意および信頼醸成に関する合意」に署名した。しかし同年3月、国際刑事裁判所(ICC)がダルフール紛争における戦争犯罪と人道に対する罪でバシル大統領に逮捕状を出すと、スーダン政府はダルフール地方で人道支援に携わる外国の非政府組織(NGO)を追放。これにJEMが反発し、和平協議は中断していた。

 ダルフールではアラブ・イスラム系の中央政府に対し、キリスト教系の黒人住民らが03年2月に蜂起して以来、病死者を含めて約30万人が犠牲になったといわれる。08年以降、暴力は下火になっているものの、深刻な人道危機が続いている。

 スーダン政府がJEMとの対話に再び動き出したのは、大統領選挙と総選挙を今年4月に控え、和平の実績を訴えたいバシル大統領の選挙戦略の一部とみられる。

 JEMを支援しているとして一時断交していた西隣のチャドと今月8日、両国の敵対関係を終わらせることに合意したのも、選挙を意識したものとして理解することができる。

 11年1月には、油田地帯アビエイ地区を含む、南部スーダンの独立の可否を問う住民投票も予定されている。南北スーダンの内戦は1983年から続いていたが、中央政府と、南部の有力黒人民族を主体とする「スーダン人民解放軍(SPLA)」は05年1月、「包括和平合意(CPA)」に署名。同年7月、CPAに基づく国民統一政府が成立した。

 CPAの下で「武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)プログラム」が始まった。SPLAは部族民兵組織の武装解除を進めているが、成果は限定的だ。スーダン南部では、重武装した部族間の衝突が頻繁に起きており、援助団体の報告によると昨年、約2500人が死亡、35万人が家を追われたという。総選挙と住民投票を間近に控え、部族間抗争が南部スーダンで最大の不安定要因だ。(オックスフォード・アナリティカ)

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